平成11年10月14日
平成11年10月6日に「日本インターネット医療協議会」理事の西藤成雄先生より、
「FAQ(http://www.jima.or.jp/faq.html)を更新」との御連絡をいただきました。
ここでは平成11年9月13日に確認できた更新前のFAQ(以後、「更新前」と略)と、
平成11年10月7日に確認できた更新後のFAQ(以後、「更新後」と略)の
更新された部分についての両者を示し、
その更新内容とその意義を考えます。
まず今回のFAQの更新で評価できるのは、
「当然、マークを掲示していなくても、
質の高いサイトは数多くあります。
マークを掲示していないことが、そのサイトが優良でないことを
示唆、暗示するものではありません」
という文章が付加されたことでしょう。
ただし、これはあくまでこのFAQをしっかり読まなければわからないことであって、
JIMAマークをぱっと見た人がこのような認識を持つことは一般にないでしょう。
その意味ではやはり紛らわしいマークと言わざるをえないと思います。
逆に問題と思われたのは、
「国際的に広がる医療・健康情報のネットワークの中で、
海外の諸団体、個人との連携活動をはかるため、わかりやすい」
として、「日本インターネット医療協議会」
"Japan Internet Medical Association"
という名称になったと明記されたことです。
このような名称で国際的な活動をされては、大きな混乱を招き、
「日本のインターネットに携わる医療関係者は何をしているのだ」
と海外から厳しい批判を受けかねないことになります。
是非考え直していただきたい部分です。
以下に更新前と更新後の更新された部分についての両者を示します。
<更新前>
Q 具体的にどういう活動を行うのですか?
A 主に発信主体である医療機関が、責任ある情報発信を積極的に行えるよう 情報発信時のガイドラインをつくり、これを本会会員に守ってもらうと同時に、 万が一、発信情報に問題をあると第三者が感じた時は、 指定マークからのリンクにより、 当会を通じてクレームや意見提示ができるクレーム受付窓口を設け、 トラブルに対応するようにしていきます。
<更新後>
Q2 具体的にどういう活動を行うのですか?
A 主に医療情報の発信主体である医療機関が、 責任ある情報発信を行えるよう情報発信時のガイドラインをつくり、 これの普及、実行を呼び掛けるとともに、 指定マークにより、万が一、情報内容に問題があると第三者が感じた時は、 当協議会を通じてクレームや意見提示ができるシステムを運用していきます。 また、情報用者には、医療情報を安全に利用するための手引きを作成提供し、 実際の利用をめぐるトラブル事例を収集しながら、問題点を分析し、 よりよい情報提供のあり方、利用方法を研究していきます。 特に、今後、重要となる個人情報の取扱いやセキュリティの問題についても、 利用者の立場からあるべき対応法について積極的に研究、提言をしていきます。 さらに、インターネットの医療面でのより有効的な利用法を研究、開発し、 ハード、ソフト両面での利用環境づくりの推進をめざしています。
<コメント>
大幅に加筆されたのがこの項目です。 更新前はマークの運用のことだけ書かれていましたが、 更新後はそれ以外の活動についても述べられています
<更新前>
Q 情報発信時のガイドラインとはどのようなものですか?
A 以下の3項目からなります。
1 情報発信者の氏名、住所の明示
3 問い合わせ窓口の設置
2 情報の非完全性、利用者の自己責任原則の明示。
1は、いわゆるホームページ等において、「どこの」「誰が」 情報発信の主体であるかをはっきりさせるということです。
2は、掲示情報に対して問い合わせをしたい時、電話、FAX、E-mail等で 問い合わせできる窓口が設置されているということです。
3は、掲示された情報がどんなに優れたものであっても、 その内容がすべての人にとって等しく正しくあてはまるものではないということから、 情報利用の自己責任の原則に基づき、情報の慎重な利用をよびかけるものです。
<更新後>
Q3 情報発信時のガイドラインとはどのようなものですか?
A 利用者がインターネット上の医療情報の安全、有効に利用できるよう、 情報発信者が情報の提供、発信に際して、最低限明示すべき事項として、 次の3項目をあげました。
1 情報発信者の氏名、住所の明示
3 問い合わせ窓口の設置
2 情報の非完全性、利用者の自己責任原則の明示。
1は、いわゆるホームページ等において、「どこの」「誰が」 情報発信の主体であるかをはっきりさせるということです。
2は、掲示情報に対して問い合わせをしたい時、電話、FAX、E-mail等で 問い合わせできる窓口が設置されているということです。
3は、掲示された情報がどんなに優れたものであっても、 その内容がすべての人にとって等しく正しくあてはまるものではないということから、 情報利用の自己責任の原則に基づき、情報の慎重な利用をよびかけるものです。
これらは、情報発信者が基本的に注意して実行して欲しい事項ですが、 発展途上のインターネット上ではまだまだ理解、徹底されていないケースが多いため、 当協議会がわかりやすく自主的ガイドラインのかたちにまとめたものです。
<コメント>
1,3,2というケアレスミスと思える番号の付け方もそのまま引用しました。
最後に文章が付加されている部分が変更点です。それにしても、いったい
どこの学会や研究会でこのようなことが決まったのか?
インターネットの医療情報はこうあるべきと誰が決定したのか?
疑問を残す内容であることには変わりがありません。
<更新前>
Q 指定マークとは何ですか?
A 上記のガイドラインに同意遵守することと引き換えに JIMA指定のマークを会員のホームページに掲示することを認めます。 利用者は、当該ホームページに掲示された内容について、意見、苦情がある時は、 第三者機関であるJIMAに対してこれを出すことができます。 JIMAは、意見、苦情の内容をホームページの管理者に伝え、何らかの回答を求め、 必要に応じ意見提供者に回答を行います。 (ただし、問題の解決は当事者どうしによる解決を原則とします)
<更新後>
Q4 指定マークとは何ですか?
A JIMAの活動趣旨に賛同し、 上記のガイドラインに同意したJIMA会員のホームページに、 指定様式のマーク(以下、マークと呼びます)を掲示、 上記ガイドラインの普及と広報に協力してもらうために作成しました。 このマークは、ここからJIMAホームページへのリンクにより、 利用者から当該ホームページに掲示された内容について、 意見、苦情等がある時は、 JIMAに対してオンライン上で意見投稿をすることができます。 JIMAは、意見、苦情の内容をホームページの管理者に通知し、 適宜回答を求め、必要に応じ意見提供者に連絡を行います。 (ただし、情報の利用をめぐる問題の解決は当事者どうしによる解決を原則とします)
<コメント>
JIMAマークの意味について
「ガイドラインに同意遵守することと引き換え」
という言い方から
「ガイドラインの普及と広報に協力」
という柔らかい表現に変わりました。
また「意見提供者に回答を行います」が
「意見提供者に連絡を行います」と、
やや後退した表現に変わりました。
苦情等の意見提供者への返答は、回答ではなく連絡だとのことです。
<更新前>
Q 指定マークがついているということは、優良であるということですか?
A 指定マークがついているということは、 必ずしもサイトの優良性を保証するものではありません。 JIMAの趣旨に賛同している、あるいはJIMA会員であることの表現であって、 提供情報の価値をあらわすものではありません。
<更新後>
Q5 指定マークがついているということは、 優良サイトであるということですか?
A 指定マークがついているということは、 サイトの優良性や情報内容の質を保証するものではありません。 JIMAの活動趣旨に賛同している、またJIMA会員であることの表現であって、 提供情報の価値をあらわすものではありません。 マークをつけることにより、第3者の注意、関心を受けとめ、 より質の高いサイトを目指しているということを示すものであります。 当然、マークを掲示していなくても、質の高いサイトは数多くあります。 マークを掲示していないことが、そのサイトが優良でないことを 示唆、暗示するものではありません。
<コメント>
今回の更新でもっとも重要な意義を持つのが、この最後の加筆された部分です。
やっと「当然、マークを掲示していなくても、
質の高いサイトは数多くあります。マークを掲示していないことが、
そのサイトが優良でないことを示唆、暗示するものではありません」
と明記されたのです。この意義は大きいと思います。
しかしこれはあくまでこのFAQをしっかり読まなければわからないことであって、
JIMAマークをぱっと見た人がこのような認識を持つことは一般にないでしょう。
その意味ではやはり紛らわしいマークと言わざるをえないと思います。
<更新前>
Q 指定マークは希望すれば誰でも使用できるのですか? 使用に際して費用はかかりますか?
A 上記ガイドラインの同意遵守の上、 指定マーク使用願いを申請していただきますと、 JIMAで所定の審査を行い適確と認めたホームページに限り使用許可を与えます。 使用に際して特別な費用はかかりません。 (マーク使用には、会員資格が必要です)
<更新後>
Q6 指定マークは誰が使用できるのですか? 使用に際して費用はかかりますか?
A JIMA会員に入会、上記ガイドラインの遵守に同意の上、 指定マーク使用願いを申請していただきますと、 JIMAで所定の審査を行い適確と認めたホームページに対し、 指定のマークを付与します。 会員であれば、マーク使用に際して特別な費用はかかりません。 会員外のマーク使用については、今のところ、 適正な管理に限界があるため対応していません。
<コメント>
「マーク使用には、会員資格が必要です」 から「会員外のマーク使用については、 今のところ、適正な管理に限界があるため対応していません という柔らかい表現に直されています、が、それだけのようです。 結局「会費」という問題がマークの「適正な管理」に 伴うことは明白なわけですから。
<更新後>
Q7 会員であれば、無条件で指定マークを使用できるのですか?
A マークを掲示したい当該ホームページの内容を、 JIMA理事会内に設けられた審査委員会にて審査します。 審査に際し、疑義が生じた場合は、申請者に聴き取りを行ったり、 必要な説明を求めることもあります。従って、 無条件でマークが使用できるわけではありません。
<コメント>
今回新たに設けられた項目です。会費を払ったら無条件にマークが使えるのではなく、 ちゃんと審査しているのですよ、ということを強調したいようです。
<更新前>
Q 一度、指定マークを取るとずっと使用できるのですか?
A 内容面で問題がない限り基本的に永続的に使用を認められます
ただし、ホームページの内容に対し利用者からの苦情があったり、 JIMAの運営委員会で不適切とみなし改善を申し入れても これに応じなかったりした場合は、 JIMA理事会において適宜実施されるマーク適正使用評価委員会での審議結果により、 マーク使用権を取消される場合もあります。
<更新後>
Q8 一度、指定マークを取るとずっと使用できるのですか?
A 内容面で問題がない限り基本的に永続的に使用を認められます。 ただし、ホームページの内容に対し利用者からの苦情があったり、 JIMA理事会又は運営委員会で内容に不適切なものがあると判断した際、 当該ホームページの運営管理者に改善を申し入れてもこれに応じない場合には、 JIMA理事会内におけるマーク適正使用評価委員会での審議の結果により、 マークの使用権を取消する場合もあります。また、マークの継続使用にあたり、 当該ホームページのコンテンツやマークの運用状況について、 随時、聴き取り調査が行われることがあります。
<コメント>
これも前項と同じで、審査の厳正さをより強調した内容になっています。
<更新前>
Q JIMAはどういう活動団体ですか?
A JIMAは、任意の市民団体で、 いわゆる財団法人や社団法人のような公益法人ではありません。 任意団体である以上、 法人としての社会的権利資格を持つ人格主体ではありません。 ただし、より安定的な活動基盤を持ち、 大きな社会的責務にこたえていくため近い将来、 「特定非営利活動促進法」によるNPO法人になることを検討しています。
<更新後>
Q9 JIMAはどういう活動団体ですか?
A JIMAは、任意の市民活動団体です。 特定の個人、団体、組織の利益に組みしない非営利の市民活動を目的としています。 いわゆる財団法人や社団法人のような公益法人ではありません。 ただし、より安定的な活動基盤を持ち、 広範な社会的責務にこたえていくため近い将来、 「特定非営利活動促進法」によるNPO法人になることを検討しています。
<コメント>
ここでは 「特定の個人、団体、組織の利益に組みしない非営利の市民活動」 という言葉が追加され、また 「大きな社会的責務」が 「広範な社会的責務」に変更されています。 「非営利」という言葉がより強調されています。 また自分達には「広範な社会的責務にこたえていく」 必要があるのだと主張されておられます。
<更新前>
Q 運営活動の資源(資金)は何ですか?
A 主たる活動資金は会費のほか、特定業務の受託に伴う事業収入、 あるいは寄付金をあてていきます。
<更新後>
Q11 運営活動の資源(資金)は何ですか?
A 主たる活動資金は会費のほか、特定業務の受託に伴う事業収入、 あるいは寄付金をあてていきます。 事業報告及び事業計画、並びに運営収支については、 毎年の定時総会で詳細が報告されます。
<更新前>
Q 既存の組織、団体との関係は?
A 公平、中立を保つため、既存の組織、団体とは特別の利害関係を持たない 第三者的な機関を目指しています。
<更新後>
Q13 既存の組織、団体との関係は?
A 公平、中立を保つため、既存の組織、団体とは特別の利害関係を持たない 第三者的な機関を目指しています。 行政の外郭団体でも、既存の各種団体に関係する団体でもありません。
<更新後>
Q14 名称を日本インターネット医療協議会としたわけは?
A 主たる活動エリアを日本国内におき、 国際的に広がる医療・健康情報のネットワークの中で、 海外の諸団体、個人との連携活動をはかるため、 わかりやすいこのような名称にしました。
<コメント>
新たに設けられた項目ですが、大変問題のある内容と言えるでしょう。
"Japan Internet Medical Association"という名前は、
本来、「日本インターネット医師会」という訳になる名前であり、
この名前を「国際的に」
「海外の諸団体、個人との連携活動をはかるため」に使われては、
わかりやすいどころか、
「日本医師会のインターネットを運営する下部組織なのだろう」
と誤解されかねない名前なのです。
よくよく考え直していただきたい名前だと思います。
<更新前>
Q 会員の申し込みはどのようにすればいいですか?
A オンラインによる申し込み、FAXまたは郵便よる申し込み方法があります。 こちらのページからどうぞ。
<更新後>
Q16 会費、会員の申し込み方法はどうなっていますか?
A 会費は会員規約をごらんください。申込みは、オンラインによる方法、 FAXまたは郵便よる方法があります。こちらのページからどうぞ。
文責: 安陪隆明 (平成11年10月14日)
御意見等E-mailの宛先は
こちらです