抄録

「全会員が参加できる地域医師会の医療情報ネットワークシステム」

 姫路市医師会では1987年に全会員参加のネットワークシステムを構築 し、同年12月から運用を開始して、現在に至っておりますが、その後、 部分的参加と申しましょうか、有志によるネットワークはともかく、 全会員の参加された医師会のネットワークシステムは寡聞にして知りま せん。しかし、地域医師会のネットワークは全会員が参加してこそ意義 があると思いますので、広島大学石川教授、遠藤世話人、NTTデータ通 信の谷口君、NECの矢野君、サンヨーメディコムの関君たちと共に、全員 参加が出来ない原因とそれらの解決策について意見を交換し、構築を考 えておられる医師会のお役にたちたいと思います。
 根本的な原因は開業医の平均年齢が60才前後というところにあると思 われます。そのために以前には

  1. 構築することに対し理解が得られない
  2. 従って費用が出せない
  3. 会員もお金を出してまでコンピュータなど触りたくない
  4. 日本人は熱し易く覚め易い。有志というより希望者のみで始めても、 初めはアクセスするが数カ月も経つとアクセスが殆どなくなる
ということで、全員参加は非常に困難でありました。
 しかし、現在では理解は得られるようになったと思いますが、その他 の原因は未だ残っているのではないかと思われます。
 先ず医師会として費用の捻出が問題ですが、その大部分はソフト代と 端末機代です。その解決策を話し合います。
 次は操作性が問題になりますが、姫路市医師会での経験からある程度 実証できたと思いますので、問題解決に向け議論してみたいと考えてお ります。
 経験上、その内容も大切です。重要で必要欠くべからざるものだけれ ども稀にしか使われないものが以外と多いのです。構築の前に考えてい ることと実際に使われることとは違いますので、どのような内容にすべ きかも大切な議論です。
 最近の経済事情ではメーカー側も、積極的に開発して売ることよりも、 売れる可能性を確かめてから開発しようと、消極的になっています。コ ミネスの目的である「開発されたシステムの相互流用促進」がメーカー にインパクトを与えることを願っています。