皆様へのご挨拶

共同代表 山下 陽三(渡辺病院 診療部長)

 私たちは、2012年1月よりアディクション関連の県内常設団体をどのように作るかという方向で懇談会を重ねてまいりました。設立に向けた話し合いでは、「依存症への偏見を取っていく」、「回復のメッセージを運ぶ」、「これまで鳥取県東部のみでフォーラムが開かれており、中・西部でアディクションの広報活動が少ない」、「地域で活動が根づくことが大切」、「各個人、団体の経験を共有する」などの意見が出されています。
 アディクションは孤立のなかで悪循環が起こり、病気を進行させます。人がこの病気を受容し、回復に向かうには社会のあり方も問われます。自助団体同志でも活動資金の扱いや名前の公表などをめぐる相互理解が必要であり、今後、支援団体や関連機関とのネットワーク作りも問われているところです。ここに集い、生きることへの信頼と回復への勇気を得られることを祈念しています。


共同代表 安陪 隆明(安陪内科医院 院長)

 人間は唯一、文明を持った動物ですが、この文明はさまざまな依存症をも作り出してきました。以前から存在するアルコール依存症やニコチン依存症だけでなく、現代では覚醒剤、大麻、脱法ハーブなどの物質依存症、またギャンブル依存症やゲーム依存症、ネット依存症などのプロセスに対する依存症も増えてきています。そして依存症とはどういう病気なのかということがわからないまま、自分でその苦しみを抱え、状況や問題をどんどん悪化させるばかりになっている依存症の人たちが、この日本にはまだたくさんおられます。その一方で世間に目を向ければ、「この人は特別にひどい、自分たちとは根本的に性格の違う人なのだからしょうがない。放っておいて、なるべく関わらないようにしよう」といった偏見を持った人たちがまだ多くおられ、そのような偏見の目が、依存症の方の回復をさらに遅らせるといったことにも繋がっています。この鳥取アディクション連絡会は、依存症の問題に携わって来た団体や個人が集まり、皆で連絡しあい、お互いに勉強しあったり、また市民に啓発していこうとい団体です。この鳥取の地で依存症への対策がさらに進むよう、皆様のご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げます。